『意識』について #6
バーチャルヒューマンラボ副所長の手記を複数回に渡り公開中です。できるだけ人間に近い処理をするシステムを作り、社会の役に立てたい、そのためにどうすればいいかを考察した記録です。
・「意識的に」「無意識的に」という言葉で表現される機能
・認知プロセスで処理した情報を基に、行動の生成・選択を行う
・会社などの組織と神経細胞が似ているように、個体の意思決定も集団の意思決定と似ているのではというアイディアから仕組みを考える
目標・戦略設定→作戦立案→作戦決定→実行という流れに沿う
-空間的注意(Spatial Attention) 空間上の特定の位置に向ける
-方向的注意(Directed Attention) 空間の特定の方向の刺激に反応する
・3つの注意の組み合わせで実現?
-持続的注意(Sustained Attention) 継続的・反復的な刺激・課題に対して一貫した反応を維持する
-転換的注意(Alternating Attention) 2つ以上の異なる課題を切り替えながら対処する
誰かに手伝いををお願いするときに、普段は社会規範(お世話になっている教授のお願いだからなど)で判断が行われるが、少しでもお金をチラつかせると(謝礼の金額、報酬に1000円のチョコレートなど)、市場規範(他のアルバイトとどちらが得など)で判断されるという内容の話が「予想通りに不条理」という行動経済学の本にあった。この話から、意思決定には複数の評価関数があって切り替わる仕組みになっているのではないかと考えた。
人間は自身の血糖値、血中酸素濃度、体温などを一定に保つための機能が動機の根源になっている
これらの値を監視して、異常値が発生した場合、正常値に戻すためのゴールと評価関数を設定する
この場合、正常値がゴールで、評価関数は体温などのパラメータの値そのものになる
生命の誕生前から考えてみる。原子や分子が結合して、結合体(構造)が生まれる。単純な結合の強さなど何かしらの理由で、構造を保ちやすい結合体(構造)がだけが残りやすい。 (当たり前)
たぶん、こういった過程で哺乳類の赤血球のような無核(染色体, 遺伝子がない)の細胞のようなものも発生してるはず。ただ、そういったものは壊れたら終わりなので残らない。そんな中で、外界のエネルギーを利用して自己の構造を複製する仕組みを持った構造が発生して、それが生命?そのような生命の構造の中でも構造を保ちやすい構造が残りやすい。 (当たり前)
結果、必然的にそうなっただけだが、保つことを目指しているように見える構造だけが残っていく。ということは、生命の根源的な動機は構造を保つことなのではないだろうか。
遺伝子による複製も代謝も恒常性も全て構造を保つためにある。
ボトムアップ注意で「音圧・音量の高い音刺激」や「輝度・明度の高い光刺激」が対象に選ばれやすい。そういった刺激に対して、騒音を発生させているものを止めようとしたり、光源を避けようとする行動が選択されることがある。
「うるささ」や「まぶしさ」はなぜ回避しなければならないのか、放置したとしてもそこまで害がないように思っていたが、構造を保つために外界の情報を取得し続ける必要があると考えると、対処優先度が高めなのが納得できる。
ホメオスタシスのような動機は生理的欲求と呼ばれることがある
人間には生理的欲求とは別の、高次の欲求、社会的欲求があるとされる
動機の本質が構造を保つことなら、人間的・社会的欲求もこの上に築かれたものではないか
つまり、社会的欲求も構造を保つことを目指していて、大きな方向性の決定(=戦略)として機能する
-DISC理論やBartle分類の欲求タイプを構造を保つための長期的な戦略と考えると、理にかなっているように見える
ゴール設定時に対象を引数で指定する?
-ゴールが{対象:物体}を集めたいなら、評価関数は物体数
-ゴールが{対象:人}に勝ちたいなら、評価関数は勝利状態(どうやって評価するか難しい…) など
ウィリアム・モールトン・マーストン(William Moulton Marston, 1894–1947, 心理学)によって1928年頃に作られた行動タイプの理論。
人々が「人-物事」「外交的-内向的」の2つの軸に沿って行動すると見なし、4つのタイプを形成する。
古い理論だからか、軸名の改変やタイプ名の改変が非常に多く、疑似科学という批判もある。
Bartle分類やStrength Finderの4分類とだいたい対応しているような?
-主導型(Dominance) Achiever? 実行力?
-感化型(Influence) Killer? 影響力?
-安定型(Steadiness) Socializer? 人間関係構築力?
-慎重型(Conscientiousness) Explorer? 戦略的思考力?
DISC理論に馴染みがないためBartle分類で説明する。
4つの戦略はどれも構造を保つという目的に寄与しそうだが、欠点もありそう
-Achiever的欲求 : 集めたい、達成したい ←→ 壊れる、無駄になるリスク?
-Explorer的欲求 : 知りたい ←→ 危険を冒すリスク?
-Killer的欲求 : 勝ちたい ←→ 負けるリスク?
-Socializer的欲求 : 仲良くなりたい ←→ 騙される、利用されるリスク?
リスクがない戦略が存在しないため、どれも残っており、リスク・リワード比が全部同じくらいなのでは?
現実空間の行動を調査する場合、やりたくてもできないこと、やらなければいけないこと、生理的欲求からの行動などが全て含まれた状態で行動記録が作られることになるが、仮想空間(ゲーム空間)での行動は、純粋に好きなことをやれるので、高次の社会的欲求に基づいた部分だけが表出しやすいとかあるのではないだろうか。
非常に有名でよく使われるが、以下の理由から採用しない。
-無視されている欲求が多い (例えば、知りたい・勝ちたい・怠けたいなど)
-段階になってるとも思えない (第一段階である生理的欲求の食欲を我慢できるなど)
-自己実現欲求段階を目指そうと主張している (幸福論?)
認知プロセスで得た情報(刺激及び、刺激から連想された概念など)から情動状態の予測をする
-情動空間があって、他の空間と結びついている?
予測された情動状態の絶対値が最も高い(ベクトルなら内積が最も大きな)情報をトップダウンの注意対象とする
その情報に対して、ゴールと評価関数を設定する
-「お世話になっている教授のお願い」が注意対象となった場合、社会的評価(良い社会人度?)の最大化を目指す
-「謝礼があるお願い」が注意対象となった場合、市場的効率性(時給など?)の最大化を目指す
・全て1つのシステムではないのか?
-3つのシステムが考えられると書いたが、欲求に基づく設定も内部の状態変化が刺激になってると考えれば同じ1つのシステムかも
-知覚・認知・注意・意思決定のシステム自体が切り離せない1つの処理かもしれない
・トップダウン注意対象の選択は情動だけで行われるのか?
-ボトムアップ注意からくる行動(大きな音の方を見るなど)以外の行動の開始時には常に何らかの気持ちがあるような?
-一旦行動が始まると気持ちとは関係なく動き続けられる (特に慣れていることは)
-線虫が嫌いな匂いから逃げる動作も、嫌悪する刺激を注意対象にしてる?
・ある情報に対してどの評価関数を使うのか?
-どうやって選ぶか、全然説明できてないというか、堂々巡りになりそう
-しかも、評価関数が後天的に学べる(増やせる)ような感じがする
ボトムアップ注意から始まる行動には気持ちは発生しないが、トップダウンでは気持ちが常に気持ちが伴っている? (気持ち=予測情動状態?)
・気持ちと実際の行動の組み合わせで4つのパターンがある
①やりたい+実際にやる 例 : 食べたい+食べる 通常の食事
②やりたい+実際にやらない 例 : 食べたい+食べない ダイエット
③やりたくない+実際にやる 例 : 食べたくない+食べる 相撲部屋?
④ やりたくない+実際にやらない 例 : 食べたくない+食べない 満腹状態
・気持ちと実際の行動が逆転する②③のケースで特に顕著だが、行動を変更(停止)するまでに少しの時間差がある
・これは1周目の処理で行動選択されたものが注意対象になっていて、2周目の処理で注意対象を基に予測が行われて、行動が変更される?
-やりたい→(やろうとする)→[2周目]→(やるとどうなるか予測)→(やっぱり)やらない
-やりたくない→(やらない)→[2周目]→(やらないとどうなるか予測)→(やっぱり)やる 後悔回避はこれ
そういえば、ダマシオの本に扁桃体か何かの損傷で情動機能が失われると意思決定ができなくなるという話があったような
線虫は嫌いなニオイから逃げるとき、匂い濃度の変化量を基に行動を決めている。
・匂い濃度の上昇を微分で検出して、(一定の値を超えると?)方向転換をする
・匂い濃度の減少を一定時間積み重ね積分した値が、一定の値に達するとその方向に直進する
※逃げているから嫌悪しているように見えるのか、嫌悪が先にあって逃げようとするのか不明

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