【独自】ワシントンDC開催「KMWorld / Enterprise AI World 2024」レポート:
「分類」が2025年のAI競争のカギに


KMWorld (kmworld.com) は、KM(Knoledge Management:知識管理)に関する最新動向やAI、検索に関して共有・ディスカッションする年次カンファレンスです。今年も多くの専門家やベンダーが集い、業界最新の技術やトレンドについての議論が行われました。クーガーからはCEOの石井と筆者の鹿毛が参加し、その熱い渦に加わりました。筆者が見る限り、期間中、日本から参加している企業は見当たりませんでした。AI企業として日本から唯一参加したクーガーより、その模様をお伝えしていきたいと思います。

AIとナレッジマネージメントの融合

今年のカンファレンスでは、AIとナレッジマネージメントの関係性に関する議論が中心となりました。特に、検索技術とAIがどういう役割を担うのかという部分がどのセッションを見ても非常に注目されている要素だったと思います。Googleが参加していない中で、検索とは何かを話し合う状況は興味深かったです。

タクソノミーの重要性

知識をどのように構築し、どのように利用するかには、定義づけが基軸となります。これは、企業の情報管理を実践的にステップアップするための基盤となると言えるでしょう。

また、筆者が参加したセッションで特に気になったのは、Adobeが提供しているTaxonomy as a Serviceというサービスでした。このサービスは、タクソノミー構築の自動化を支援するもので、大量の情報をカテゴライズし、利用可能な状態にすることを目指していると思います。

Taxonomy as a Service by Adobe

現在存在しているデータ自体を有効なデータにするには?という疑問を解決するにはどうしたらいいのだろうという疑問に対しての答えに繋がる重要なキーワードが「タクソノミー」だと感じました。

筆者が実際にお会いしてお話しした方々の中で下記のような会話がありました。

大学の歴史の博士:過去100年近くためているデータを有効活用するには私自身がタクソノミストになるしかなかった!

アメリカのFDAの責任者(農業省の管理者):アメリカに入ってくる野菜を入管で管理するためのデータベースを使えるようにしたい。

アメリカ軍の情報管理官:国家機密の情報をいかに現場の軍人達に使えるようにする為のタクソノミーのあり方を考えたい。

様々な分野でのタクソノミーのあり方とは何かをプロフェッショナルと議論できるとても貴重な状況でした。

生成AIと検索の融合

ChatGPTなどの生成AIと検索をどのように融合させるかは、今年のメインテーマの一つでした。生成AIの便利性を利用しながらも、独自のモデルでカスタマイズされた解決策を提供するということの良し悪しを各社がプレゼンしていました。

企業同士のディスカッションも多彩な内容でした。上記の写真のディスカッションのテーマとしては、生成AIが検索を駆逐するのか?というような過激な内容でしたが、実際は生成AIが検索の機能を大幅に向上させ、より直感的で会話型の検索を可能にする一方で、従来の検索機能を完全に置き換えたりするものではなく、強力な補完的ツールとして機能するのではないか、というようなところで話は落ち着いたと思います。

KMの文脈において、より複雑でニュアンスのある情報検索を実現するために生成AIが検索を進化させているという見方がある種の共通した意見だったように思いました。

弊社石井による人型AIアシスタント「レイチェル」に関するプレゼン

石井は、短い時間でしたがプレゼンテーションを行い、多くの参加者から驚きと反響をいただくことができました。このプレゼンで、石井の構想や技術やレイチェルについて多くの関心を持ってもらうことができました。

レイチェルは日本国内のファミリーマート7,000店舗でリアルタイムで利用されていますが、それだけの規模でそのような小売向けのサービスを提供している企業はアメリカには存在せず、多くの人が驚いていました。


また、休憩中にも議論が終わることはありませんでした。同業のAIベンダーの方からも沢山の質問を受けました。

RAGをさらに有効活用するには

RAG(Retrieval-Augmented Generation)に関しても多くのセッションがありました。その中でも、RAGを活用した検索の精度向上や、企業内での具体的な実装例が多く取り上げられました。アメリカ特有なのだと思いますが、メディカルやヘルス系の実装例が多く、投資されやすい業種からどんどん実装されているのを感じました。

AIは人間を代替するのかそれとも寄り添うのか

カンファレンスを通して、感じたのはこの部分でした。学者の方々はどちらかというと人間に寄り添い人間のポテンシャルを高めるにはどうしたらいいのかという部分を話をされてましたが、ビジネスの部分ではどちらかというと効率性やスピードなどの部分の話で人間がやっている作業をAIに置き換えるという文脈の話が多かった印象です。

結論として、今年の「KMWorld / Enterprise AI World 2024」では、AIと知識管理(KM)の融合が大きな進展を遂げ、特にタクソノミーの重要性や生成AIと検索技術の融合・進化が主要なテーマとなりました。タクソノミー構築のさらなる進化が情報活用の基盤を強化し、RAGやカスタマイズされた生成AIの活用が新たな可能性を提示しました。また、AIが人間に寄り添うべきか、それとも代替するべきかという議論も引き続き重要視されました。その中で、クーガーが提供する人型AI「レイチェル」は、人間に寄り添いポテンシャルを引き出すことを目指しており、この方向性が世界的にも通用する手応えを得られたイベントとなりました。


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